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2019年5月23日木曜日

I'm not your toy,FUCK YOU.


―S子さん、私は今までクラスのみんなと一緒にあなたに酷いいじめを行ってきました。
理由は御存じの通り、あなたのお祖父さんが事故を起こしたことで、誰が言い始めたのかこちらの責任が色々とごまかされたまま始まったバッシングに、考えもせずに乗ってしまったのが原因です。
ええ、私は週刊誌やネットなど、周りの大人たちが事故に対してにいうことと同じくらいの酷い言葉をあなたに何度もぶつけました。やったほうは抗弁しにくく、やられた側、つまり正義の側についている限りは、勝てる勝負がいつまでもできる。
正直にいうと、義憤ばかりではなく、面白かったとさえ感じていました。だからいじめになったのでしょう。そしてあなたが学校に来れなくなったとき、みんなで拍手喝采をしました。
こんな卑劣なパワーバランスの頂点にいつまでも立てる権利が保障されていると、あの時の私は単純にもそう思い込んでいました。だから、あなたが学校を去る際に黒板に残した文字の意味も理解できなかったのでしょう。「I'm not your toy,FUCK YOU.」

でも、高校に進学した今は違います。私の高校を経営する学校法人が、九州に大学のキャンパスを新設する際に、以前から知り合いだった内閣総理大臣との口利きがあったのではないかという疑いから、今や政界を揺るがすスキャンダルに発展していることはわかると思います。そして、どこから調べたのかはわかりませんが、私の高校の画像もネットでさらされ、とあるスポーツ新聞ではかなり酷いことを書かれていました。ある時は、それよりもっと酷い言葉をネット上で見たことがあります。これを見て、初めて痛いということはこういうことなのだと気がついたのです。
決してこれは告解のつもりではありません。私のやってきたことが告白して許されることだとは絶対に思えないのです。S子さん、あなたにはこんな目にあって初めて、人の痛みが理解できる自分の馬鹿さ加減を笑ってほしかった。こんな弱虫だった自分を笑ってほしかった。
今も問題に便乗した誹謗中傷は続いていますが、きちんと逃げずに、あなたがあの時何を感じてきたのか、ずっと勉強していきたいのです。