最近、法務省がリアリティ番組「ラヴ上等!」というリアリティ番組とコラボしたポスターを制作、ですが、「人に火をつけた事がある」という番組内の発言に目をつけられて炎上し、たった16日間で法務省はコラボを取り下げたという話ですが、私は思わず、かつて存在した奈良少年刑務所の受刑者が涵養プログラムの一環として詩を書き、作家の寮 美千子氏が編集した『空が青いから白を選んだのです』という詩集でした。
実際、私はネトフリ(何か露悪寄りという批判を多く聞くのも相まって)に登録しておらず、正直「ラヴ上等!」についてもnoteの言及で知った程度です。よって、番組自体を観てもないのにお気持ちでこの分野を語るのもどうかと思いますが、『空が青いから白を選んだのです』でも、薬物使用や虐待、貧困などの凄まじい経験が(詩ゆえに)簡潔で抒情的な文章の中に根付いています。
寮氏も、受刑者によってはレイプや殺人を犯した人間がいる事を、はっきり解説で書いています。正直、私も二次創作という著作権違反をやっている身で、自分の事を棚に上げながら(汗)「もういい加減そういうのを苦労のリソースとして語るなよ・・・」という苛立ちを持っていたのは確かです。実際、報われないという立場で見ると、きちんと社会に馴致され、罪も犯さず真面目に生きているアマチュア詩人の方が尊いだろ・・・そんな思いも頭を何度かよぎりました。
ですが、やっぱり法務省のコラボと決定的に違うのは、彼らの告解に「エンタメ性」を入れていなかったという事だと思います。受刑者たちが詩の中で、いくら自らの生い立ちを言葉にしても、『空が青いから白を選んだのです』では彼らのバックグラウンドについて重みだけが残るように設計されており、安易な赦しも武勇伝として機能する余地も、作品は全く与えていません。
そして、「ケーキが切れない非行少年」とか「教育困難校」 といった、スラムツーリズム的な目線で弱者をカネにする興味本位も、『空が青いから白を選んだのです』はちゃんと拒絶しています。
この記事が指摘している通り、「更生とは「映えない努力」の積み重ねじゃないのか。」という言葉通りだと思います。
その辺りにおける真面目な姿勢を、『空が青いから白を選んだのです』ではキッチリ貫徹していると感じたんですよね・・・。そういう所から出てくる刺激で釣るといった要素も全くないし・・・。
まぁ・・・、自分だって、レイプされた人や被害者遺族の気持ちはどうなんだよ?という疑問はあったけど、それがメインテーマじゃないわけだし・・・。
まぁ・・・何か法務省もコラボする相手を間違えてしまったようだし、コラボするにしても、もう少しシリアスで地味なスタンスのメディアを選ぶべきだったのでは・・・と思います・・・。