―物語に優劣なんてない。勝利も敗北もない!(中略)ただそこには、想像の翼を広げさせてくれる美しい言葉が綴られているだけなの。どんな物語もその素晴らしさは変わらない!
相沢 沙呼『小説の神様』より
何か最近、小学6年生でも絵本しか読めない異常事態がどうたら・・・みたいな記事を読んで、正直「またか・・・」という思いです・・・。まぁ、講談社のサイトだったしなぁ・・・。でも『4つごのまじょとすてきなちかしつ』と『4つごのまじょのおかいもの』いう絵本を最近買ったので・・・という感じですが、絵本が好きな子供っだっているでしょうに・・・。正直、(最近の例でいえば「ドパガキ」、「倍速視聴」でしょうか)こういう若者とか子供とかをターゲットにして、「○○ができない」と煽って金にするのは何度目だよ・・・と思うわけです・・・。
それとね・・・寮 美千子氏の著書『空が青いから白を選んだのです』とか『あふれでたのはやさしさ』だったみたいなものを読むと、世の中には(寮氏のような作家の活動で)絵本や児童書が、そこから断絶されていた人間の切実な叫びを、(まさしく芸術の使命として)どれだけ剔抉・昇華させていくのかを考えたら、この記事の内容にはどうしようもないさもしさを感じるというか・・・。それと、被害者遺族である入江 杏氏も、ご自身の活動(あの経験から他者の痛みを救済する為に)に絵本や童話を積極的に使われているわけであり、「絵本しか読めない小学6年生論」というのはいささか有害な先入観といえるでしょう。
で、この公開日記では何度か取り上げているレジ―氏の『ファスト教養』ですが、児童書や絵本を「偏差値を上げ」て、「難関校に合格させる」事が(記事の)テーゼになっているのは、正にそういう匂いがプンプンするというか・・・。近視眼的な利益の為に教養が矮小化され、粗末に扱われていると・・・。藁人形論法になっちゃうけど、『杉森くんを殺すには』とか『ハッピークローバー!』とか、そういう目的じゃない本もあるはずで、ただ功利的な目的で読んでも、為にはならんでしょ…と感じます・・・。
確かに、ヨンデミーの代表取締役である笹沼 颯太氏の指摘通り、ショート系のコンテンツは児童書にも存在していて、「5分で読める」とか「3分で驚きの結末」みたいなアンソロジーが雨後の筍のように出現しているのは事実でしょう。 ですが、(記事を見た限りでは)統計といっても詳しいソースやリンクは貼られていないし、感情的な分断や格差を煽り、児童書や絵本を餌にしているに過ぎないのではないかという疑念があります。上にも寮氏について書きましたが、寮氏は『あふれでたのはやさしさだった』で、「絵本は子供だけが読むものではない。子供からでも読めるものだ」と書かれていましたが、『りんごかもしれない』(それ位の認識でヨシタケシンスケ氏とブロンズ新社に喧嘩を売ったんですかね?)という絵本が小学生に人気だという「事実」に、笹沼氏が「読解能力が落ちている」と腐す事への強烈なカウンターになっていると思います。まぁ、見方を変えりゃあれは絵本蔑視にも見えるし・・・。
確かに教養が無いに越したことはないですが、適当なモラルパニックに紐づけた、格差煽りや分断煽りの燃料に自分の好きな絵本や児童書が食い散らかされているのを見ると、何か悲しいなあ・・・と感じます・・・。
喧嘩を売ったといえば・・・自分も足りん情報でお気持ち表明何度もすることあるから…この公開日記で・・・ワシは同罪じゃ(泣)