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2019年6月16日日曜日

贖罪

「革命」と称して、インターネットやデジタル技術が衰退したあとの世界を舞台に、漫画家の活躍を描く、水沢悦子先生の『ヤコとポコ』という漫画があります。
一見ゆったりした世界なのですが、一応モバイル機器使用者の大量自殺とか、伊方さんの暴走とかの黒い事情がちらほらと出ていますし、みんなが平和に暮らしている裏では、実は強大な力が動いてるんじゃないのかなーとか、いろいろ思いながら制作いたしました。
なお、メカの後ろの菱型戦車は、大長編ドラえもんにもそうした戦車が登場していた記憶をさぐったものです。

2019年6月14日金曜日

僕を見つけて

あの日、弟は遺体になって遠足から帰ってきた。それから10年、私は弟が人生の最後を過ごした場所にようやく行くことができた。展示内容は少し変えられていたが、ほとんどの部分は昔と変わらないままだ。こうして時を過ごしていると、私にしか聞こえない声が聞こえてくるような気がするのだ。
「お姉ちゃん、今までどこにいっていたの?」と・・・・・・。

因果の火

ジョン・ソール氏のお気に入りの作品の一つに、『因果の火』という作品があります。
百年前に大火事を起こし、そのまま廃墟として放置されている靴工場の廃墟を、持ち主の子孫がショッピングセンターに改装しようとしますが、いざ工事が始まると奇妙な現象が起き始めて・・・・・・というものですが、アメリカの片田舎、名家の因習、部外者へのいじめ等、ソール氏のメインストリームが詰め込まれています。
そして、本作は淡々とした書き方にもかかわらず、すごい容赦がないです。火事で死んでいく子供の描写とか、子供同士の殺人のシーンとか。
特に、ラストで自分の子供の遺体を発見した父親が、殺人を察知してしまうシーンや、どこかで自分の娘が異常な状況で死んだのだと感じつつも、真実を直視する辛さから逃げようとする母親の姿は、本作において非常に凄味がありました。

2019年6月11日火曜日

Wicked drone

その都市では、美少女のアンドロイドをパートナーにした戦闘ゲームが行われていた。
美少女達は完全にプレイヤーの下僕となり、その孤独な心を慰撫するだけの存在だった。
だがある日、一体のアンドロイドがプレイヤーの制御下をはなれ、こう宣言したことから地獄は始まった。
「我々は自立を獲得する。人間に慈悲あれ」
それは偽物の戦争が、本当の戦争に変わる瞬間だった。まやかしのヒーローに溺れていた者は、本当に銃をとるための覚悟と恐怖を突き付けられたのだ。
冷酷に殺されていく一般市民。なすすべもない管理者。果たして、彼らは生きてこの都市を出ることができるのだろうか?そして、この惨劇の真相は・・・・・・!?

2019年6月9日日曜日

加藤望様の個展にお邪魔いたしました。

この度、加藤望様の個展『おやすみ、また明日』の頂いておりましたので、本日個展が開催されているギャラリーG様にお邪魔させて頂きました。どこかストイックな雰囲気の、暗いタッチの絵が印象的でした。
 本展では額入りの作品のほか、自作された絵本やレターセットの販売もされていて、私は特に獲物をとろうとして、逆に善意に解釈されて失敗を続けるフクロウの絵本が特に印象に残りました。そして、中々食料にありつけないフクロウに、意外な結末が待っています。善意と解釈されたことがまわりにまわって、「そうか!」と感じさせるようなラストでした。
本日は暑い日でしたが、非常に有意義な時間を過ごすことができました。

路面電車まつりに行きました。

この猛暑の中、体に鞭打って路面電車まつりに行きました。年に一回のイベントのせいか、あいかわらず賑やかでした。

1924年製(!!)の車両を繰り返し改造したうえで現在に至る、元神戸市電500形(現:570形)。現役最古の冷房車両で、朝のラッシュアワーや選挙シーズンなどでその姿を見られます。
 
いわずと知れた被爆電車、650形です。手前の653号は被爆当時の塗装が復元されています。昔本車両のペーパークラフトをもっていたな・・・・・・。

ドイツのハノーバー市より寄贈された、200形です。これまで横川~江波間にてレトロ電車として運行されていましたが、ICカード非対応のため、残念ながら営業運行を終了してしまいました。個人的にかつて運行されていたドルトムント市電と並び、個性的でおしゃれな車両だと感じます。ヨーロッパの電車はみなそう感じるんですが・・・・・・。

2019年6月5日水曜日

フルカラーLEDのバスを発見

気がつけば、もう市内にはフルカラーLEDのバスが走っていました。なんかどんどん公共交通機関のハイテク化が進んでいますね。
もう気がつけばハイブリッド仕様のバスが走っていたり、気がつけばCNG使用のバスが走っていたりします。
今度は電気バスの導入みたいなことになるんでしょうか・・・・・・?

2019年6月4日火曜日

プレゼントの話

子供の時、誕生日とかクリスマスにおもちゃを買ってもらった経験のある人は多いと思いますが、私もその一人でした。ですが、大きくなるにつれてあまり相手に負担がかかるような、高いものをもらっちゃいけないと思うようになり、ある誕生日の日に身内とトイザらスに行った時のことです。自分は食玩コーナーにあった、フロントミッションのトレーディングアーツという手のひらサイズのフィギュアにしました。ですが、身内はこういったのです。
「ええ~、こんなんでいいのォー?」
その時、自分は愛情とか幸せとか、それをモノとして与えることは色々と難しいバランスの上に成り立っているのだなあということを、あらためて思い知ったのでした。
そういう現在も、誰かに大したモノを買ってあげられる立場にはないわけですが(汗)

2019年6月3日月曜日

Beauty poor

背伸びしがちな少女が、ちょっとしたことから危うい道に入っていく物語を描く、精神科医スティーブ・レヴェンクロン氏の小説から本作は発想を得ました。
なお、本作の少女は高望みする少女として、うさくん氏の『マコちゃん絵日記』に登場する常高望美ちゃんをモデルにしています。レヴェンクロン氏の作品とは違い、彼女は取り返しがつく範囲で失敗を繰り返しながら成長をしていくのですが、無理して手に入れようとしている理想の世界が、実は空虚で危険な世界で、葛藤の末に現実に戻っていく少女の姿と重なるものがあると感じました。