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2019年9月24日火曜日

有田イマリ先生とはっぴぃヱンド

最近、有田イマリ先生の『はっぴぃヱンド。』という漫画を読んでいます。
田舎に引っ越してきた主人公が、最初は自然の中でのスローライフを満喫するんですが、転校先の学校では必ず学級日誌を書かなければならないというルールがありました。それを忘れると「罰ゲーム」としてみんなに惨殺されてしまいます。そして、主人公が殺されるとまた転校初日に時間が戻ってしまい、どうしてこんなことになるのかという謎に挑むタイムリープものですが、私は先生の『社畜さんは幼女幽霊に癒されたい。』から先に読んでいたので、(前にもこういうことを書いたのですが)そのシリアスで残酷な展開にギャップを感じています。BBQと称して串刺しにしたりとか、包丁で襲ってきたりとか。

現在、『はっぴぃヱンド。』はまだ2巻までしか読めてませんが、頑張って最終巻まで読ませてもらいたいです。
ただ、主人公の姉である先生が教室でタバコを吸っているシーンがありましたが、ちょっとそこだけが気になりました・・・・・・。

2019年9月22日日曜日

◎槻野昭子さんです

久しぶりの、ピーター・トライアス氏の小説『USJ』のイラストを描きました。
本作はUSJに登場するヒロイン、特別高等警察の槻野昭子さんですが、厳しい性格の人なので、もっと目つきをきつくした方がよかったかなと思いました。
そして、昭子さんは物語後半のガンアームを装着した状態にしようかと思いましたが、ウイルス銃(と思ってください…‥)を持った姿にしました。反逆者の疑いがかかった人物にこれが発射されるシーンがあるのですが、強力なウイルスで人体崩壊させるので本当にグロいです。
USJシリーズの最新作、CSRにも槻野さんが登場するらしいので、本当に楽しみにしています・・・・・・。


2019年9月21日土曜日

ギャップのお話です

『宇宙人のいる教室』という、さとうまきこ氏の児童書を読んだことがあり、本作のイラストを漫画家の勝川克志氏が担当されていました。
さとう氏は『ハッピー・バースデイ!幽霊くん』という作品でも勝川氏とタッグを組まれていますが、いじめをめぐる問題を何とかハッピーエンドでまとめた『宇宙人のいる教室』とは違い、本作はいじめ自殺という一層重い問題をテーマにしていています。しかも、その加害者の苦悩も生々しく描かれているので、玩具のようにデフォルメされた勝川氏のイラストを見てはいつも激しいギャップを感じます。だからこそ、本作はいつまでも記憶に残っているのですが・・・・・・。

ちなみに、内容と絵のギャップといえば、いつもは明るい絵柄の絵本作家、武田美穂氏がイラストを担当された、兵器メーカーを風刺した那須正幹氏の絵本『ねんどの神さま』も思い出します。
あれも『ますだくん』シリーズや『すみっこのおばけ』からは想像できないような、シリアスで暗い絵柄でしたから・・・・・。


2019年9月17日火曜日

最後の晩餐を読みました。

『12歳。』シリーズで有名なまいた菜穂先生のホラー短編集『最後の晩餐』を読みました。
内容は人体切断やカニバリズム等、けっこうおぞましい題材があるのですが、意外と残酷なシーンは皆無ですが、まず、私がこの中でインパクトを受けた作品の感想を描きてみたいと思います。
人身事故で亡くなった少女の亡霊の都市伝説を巡る『踏切のさっちゃん』ですが、面白半分にその伝説が絡んだおまじないを実践したため、みんなが徐々に体の一部をもぎ取られていきます。トイレの床から排水口へと血が流れていくシーンや、破壊されたドアから手がのぞいている描写などは、体を千切られるシーンを見せられるよりも「痛さ」を感じさせます。
『最後の晩餐』も、人間が直接解体されるような描写はなく、台詞のみでカニバリズムが表現されているのですが、主人公が自然に食べる対象を犬から人間へと移していき、至福の表情で悦に浸るところに、凄まじい狂気を感じました。満面の笑顔で「こんなにおいしいものがあるなんて知らなかった」と言い放つ主人公に、いったいどう声をかければいいのでしょうか?これは血だらけの死体を見せられるよりも恐ろしいシーンです。
『糸電話』も自分の都合のために相手を裏切り、切り捨てる主人公と、その代償のようにエスカレートしていく友人の想いにこそ本当の怖さがありました。
最終的に主人公はカッターで顔にある「とある部分」を切断されるのですが、床に血のこびりついた体の一部分が転がっていたりするシーンがあるわけではなく、血がつたう糸電話の描写で、「何が起きたか」の生々しさがいっそう感じられました。
このように、『最後の晩餐』はグロテスクな描写が一切排除されている分、その裏で起きていることを想像させるという、奥ゆかしい恐怖を感じさせる作品だと思いました。

あやしの保健室3を読みました。

染谷果子先生の『あやしの保健室3 学校のジバクレイ』を読みました。
こんどは統廃合で閉校する予定の小学校が舞台で、閉校に絡んだ子供の感情や、善い人に振り回される子供の悩みなどが、すごい生々しかったです。特に和太鼓をたたく日向ちゃんの姿がもう・・・・・・。自分も見習いたいよ・・・・・・。
1巻から感じるのですが、被災者の感情とか、親族の死別とか、本シリーズは重いことをさらっと入れてくるように思います・・・・・・。
自分自身、まだ母校の統廃合(まあちょっと一部ヤバいんじゃないの的な所はありますが)は経験しておりませんが、恩師の方が務められていた小学校を訪れたことがあり、そこが廃校になるという話を聞いたので、そういう感情は理解できるような気がしました。
イラストをを担当されたHIZGI氏のイラストもやっぱり官能的で、これからどんなキャラクターが出てくるのか、楽しみに待っています。


2019年9月16日月曜日

他人の血

小学生の時、「遺伝学」というものがクラスで流行っていた。特にその中心にいるのがKという男子で、いつもこんなことをいっていた。
「努力すればなんとかなるっていうのは嘘だよ。もともと知能というのは遺伝で決まってるんだから」
 「知ってるか?親の学歴や収入が子供の将来を左右すること?だから、このクラスの半分は大人になったら少ない年収しかもらえないの」
「世の中はお前らが考えてるよりもっと残酷なの。教師とかがいわないだけで、そういうことを証明する科学的根拠がいっぱいあるんだから」
 そして、Kは私のことにも口を出し始めた。
 「あいつは三眼症だろう?だから十代後半のうちに死ぬ確率が大きくなるんだ」
 Kの言葉に同調するように、取り巻きの子供たちが声をあげた。
 「え、じゃあ三峰さんって高校生とかのうちに死ぬってこと?」
 「その時期っていつなんだろ?」
 その時、となりにいた友達のHが机をたたいて叫んだ。
 「いい加減にしなよ!そんなことを賭けみたいにいわないでよ!」
 Hに続くように、Lもいった。
 「そうそう、毎回人をモルモットみたいに扱うようなこといって、いじめじゃないそれ?」
 すると、Kはすねた目で私たちを見ていった。
 「なんだよ。実際に三眼症の子供の死亡率が高いからそれをいっただけだろ?いじめでもなんでもねえよ。それとも『死亡率が低い』って嘘をつく方が問題だと思うんだけど?」
 取り巻きたちもそれに続くようにいった。
 「Kのいってることにはみな科学的根拠があるんだよ。それを邪魔してくること自体『いじめ』だろ?」
 「そうそう。いうべき事実をいってあげることこそ、三峰さんのためだと思うけど。世の中にはKのいう通り、不都合な事実があるんだから」
 
 でも、私にはわかっていた・・・・・・Kたちや、遺伝学をブームにした大人達は私みたいに問題を抱えていない。傷つくことの恐怖を味わっていない。だからこそ、世の中は不都合な事実がある残酷な世界だといいきれることに。

『人非ざるのもが棲む世界Ⅱ』終了のお知らせ。

この度、『人非ざるものが棲む世界Ⅱ』に拙作を出展させて頂いておりましたが、皆様のおかげで無事に終了いたしました。
御多忙中にも拘らず、会場にお越しくださり、拙作をお買い上げくださったお客様や、拙作を出展するにあたり、大変お世話になったThe Artcomplex Center of Tokyoの皆様に深くお礼を申し上げます。

2019年9月12日木曜日

『人非なるものが棲む世界Ⅱ』報告。

現在、The Artcomplex Center of Tokyo様にて開催されている『人非ざるものが棲む世界Ⅱ』に拙作を出展させて頂いております。
なお、搬入・設置はスタッフの方にお願いしておりましたので、拙作はこのように展示されております。


新しく始めた『三眼少女』シリーズです。コンセプトとしては、「違うことを巡る差別や偏見」みたいなものがあります。詳しくはプロフィール用紙に書いてあるのですが・・・・・・。
 
はい、私の偽善者ぶりとイタさが露呈していますね(汗)でも、自分がやられる立場だったらっていう不安やモヤモヤというのは常にあります。今もそうかもしれないし・・・・・・。

2019年9月8日日曜日

誰かの嫌い

最近とある子供向けの図鑑に、自衛隊の車両や艦艇などが掲載されていたことで抗議が来て、増刷が中止されたという騒動があったのですが、やっぱり何かを表現したら誰かの嫌いにぶち当たってしまうというのはあって、そうしたことにどう答えていけばいいのかな~と考えさせられました。
乗り物図鑑のお話だけではなく、絵本や児童書に萌えイラストを使うなとか、世の中にはいろんな誰かの「嫌い」が渦巻いているわけだし、色々と複雑な話だと思いました。
でも、子供向けの乗り物図鑑って、たいてい戦闘機とかイージス艦とかって載ってる気がするし・・・・・・。

ところで、個人的には蓮コラとかの、密集系の画像が一番嫌なわけなんですが(汗)




2019年9月2日月曜日

初恋だと感じたけど

「へえー、Eさんってこんなすごい作品が描けるんですね」
私がとある企画展に作品を出展していた時、当時付き合っていた彼氏のBが来た。彼は今、アート系の活動をしているらしく、Bはやたらと私の作品を、媚びるように褒めていた。
やはり恋人を貶すわけにはいかないのだろうか、私は黙ってBの話を聞いていた。多少うざったいところもあるけど、色々と彼は親切だったので、今日まで彼との関係は続いていた。だが、次の言葉を聞いたとき、私は心臓を殴られるような思いがした。
「やっぱりEさんは三眼症だから、僕たちにはない能力があるんですよね。僕はEさんみたいに障害を持っている人や、専門的な教育を受けてない人や、社会にのお荷物になっている人たちこそユニークなアートを生み出せると思ってるんです。僕はそれを『マージナルアート』と名付けて今のアートシーンにアピールしたいんです。是非とも僕たちの活動に参加してもらえませんか?」
その時が、これまで繋がっていた私とBの関係が切れる瞬間だった。