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2017年7月19日水曜日

NO WAR?

あの戦争では、多くの人間が犠牲になった。私は一兵士として一心不乱にコクピットの中から銃を撃ち続けた。だが、その惑星に敵が隠していたとされる大量破壊兵器はなく、自国政府は正式にこの戦争の開戦理由を誤認と認めた。
そして、地球に帰ってきた私を、みんなは屑と罵り、殺人者と嘲った。最初は熱狂的に支持されていた政権と同じく、私も友人も、攻撃の標的になってしまった。
「罪もない生き物を殺して食らう飯の味はどーですかあ?」
「なんでアレだけの数を殺して反省しないんですか???武勇伝のおつもりですか?」
「お前は正しいつもりだろうが、このリンクを見れば、民衆がどれほどリテラシー能力があるかわかるだろう。バ カ め」
一人だけの部屋の中でそんなメールを見ながら、ペットの子猫を抱き上げて、私はつぶやいた。
「人はね、前線でトリガを引いたことがない分、楽ちんに敵の線引きをするのよ」