小説『小説の神様』(相沢沙呼作、2017年、講談社)を読みました。
話は作品の売れ行きが芳しくない上、ネットでは中傷まがいのレビューが書かれている高校生の作家、千谷一也が主人公で、ひょんなことから美少女作家、小余綾詩凪と共作をすることになり・・・・・・といった内容ですが、相手は逆にベストセラー作家なので、千谷一也はもとからあった劣等感や焦燥感をどんどん膨らませていきます。特に、作中で千谷一也が部活の後輩に語る「売れ筋商品」への毒吐きは、相沢氏自身の苛々なのかなと思ったり。
私自身は小説家ではありませんが、モノを作る人間のメンタリティの整え方や、作品の向き合い方については、非常に参考になるシーンが沢山あり、折れないためにも、何度も読ませて頂いております。
正直、こんなことをいうのもどうかとは思いますが、私も作品があまり売れておらず(それが自己責任だということは自覚しています)、イライラや無意味な嫉妬が募ることがありますが、やっぱりファンの方もおられるので、制作を続けるしかないんかなーと、『小説の神様』を読みながら思いました。