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2018年2月3日土曜日

終わる世界


2106年、私は疎開のためにE市の学校に転校した。
転校先では、みんなこの国が勝つか負けるかでいいあいをしていた。勝つと思っているグループを、負けると思っていたグループは「愛国脳」といい、負けると思っているグループを、勝つと思っているグループは「売国奴」といって互いに罵り合っていた。
みんな、私にどっちの側につくかと迫ったが、私はそんなところに入って悦に入りたくなかった。
ただ、私は一人の人間として、勝てない戦争をしたこの国の最期を見とどけたかった。