むかしむかし、ある国ではえらい人が悪いことばかりしていました。人々はそれをみてなんとかしてくれといつも怒ってばかりいました。そんなある日、この国に天使がやってきました。「私はみなさんの味方です。この国のもんだいを解決してあげましょう」と天使はほほ笑んでいいました。
人々は天使のことをすっかり信じこみ、天使に悪いことをしている人をほろぼすように願いました。そうすれば、何をしなくても英雄になれると思ったからです。
ですが、実はそれは、天使にばけた悪魔でした。
ことば一つで自分を天使だと信じこみ、それだけでいばり散らす人々を見て、悪魔は一人、冷たい笑いをうかべました。