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2026年5月21日木曜日

『くいなちゃんはゾンビ!』を読みました

 前から気になっていた、平河 ゆうき氏の児童書『くいなちゃんはゾンビ!』を読みました。

児童書で(おばけや幽霊はともかくです)主人公がゾンビっていうのはあんまり見かけんな・・・と思って手に取りましたが、宣伝通りの楽しい作品でした。児童書らしく、近年のゾンビものにありがちな、殺伐とした展開や暴力的な残酷シーンを徹底排除しているのは、よかったです。

特に後半でヴァンパイアとか(コブラのミスティーみたいに)電気使いが登場するという展開は、いささか後付け感を感じたものの、 くいな一人がゾンビだとどうしても孤立感が出てしまうので、そっちの方がいいと思いました。

そういう部分から、物語後半では弱者が必ずしも純然たる犠牲者(要するに悪に染まっている)ではないという現実をも正直に描いていて、だからこそ悪として処理せず、くいな達が仲間としてその再生を祈る所は、やはり当然の展開だといえました。『ステイホーム』では「悪い子を家に入れないで」というセリフから、弱者に戦いを仕掛ける事でキャラクターの正しさを表明していましたが、きちんと(できる限りで)手を差し伸べる事や相手の未来を想う事は、まだまだ未熟な子供に大人の立場で、非社会的な個人主義をひけらかすより、ベターなルートだと思います。

まぁ、続編があるという事なんで、 稲森ぴかりをまた見てみたい気がします。