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2020年7月6日月曜日

聖ロザリンドを読みました

わたなべまさこ先生の漫画『聖ロザリンド』を読みました。
子供ゆえの純粋さに、良心の欠如が加わってしまった少女、ロザリンドが次々と無邪気さゆえに人を殺していくサスペンスホラーなんですが、本作はあまり(こうした作品にありがちな)暴力描写や鬱展開を強調する部分がなく、むしろそれらがばっさり切り捨られています。
その代わり、「凶行を重ねるロザリンドがどうなるのか」といったストーリー性や登場人物の心理描写が前面に押し出されているので、ただのグロさありきではなく、丁寧に書かれたサスペンス小説を読んでいるような気分になりました。特に作中で修道女が十字架にかけて殺されるシーンがあるのですが、『聖ロザリンド』というタイトルを象徴するものだと思います。この神をも恐れぬ凶行は、どんな恐怖演出よりも恐ろしかったです。