カテゴリ

2024年11月22日金曜日

ガレオン船は氷の海を砕けるか?

今更『ステイホーム』続きで『氷の海のガレオン/オルタ』を読みました・・・。ミーハーでもねえのに今頃読んだって俺も結構な頭の悪さだと自省してます(汗)まあ・・・『ステイホーム』から先に読んだしなぁ・・・。

以前Xで見ましたけど「小説好きにはほぼ礼賛されている」という趣旨の前置きと共に批判のポストしている人がいましたが、特定のメディアに対する無批判な礼賛の濁流に逆らう存在を見るとホッとするし、それこそ必要悪だろ・・・と感じています。読書メーターでもちょくちょくそういうのがあったから、安心しました。性格悪いな俺(笑)

だからこそ、同じく木地 雅映子氏が書かれた『ステイホーム』の続きで読みましたが、これまで学力に秀でた奴が逆差別されてきたからといって、同じことをやっていいんか?とか、他の子ができないことを色々できるからといって、見下すのがいいことなのか?とか・・・。正直、あの杉子が読んでた新書レーベルだって、ピンからキリまであると思うしな・・・。

それと、同時収録されていた『オルタ』もスカートめくり(!!)に授業妨害で、担任がのほほんとした態度で対応しているなら、そりゃお母さん学校に行かせたくなくなるでしょうねー・・・とか思うんですよ・・・。運よくそういう環境があったわけで・・・ね・・・。まあ・・・ちょっとアスペルガーとかスペクトラムといった言葉も引っ掛かったしなぁ・・・。

 こういう所から、木地氏の学校フォビアがすごい『ステイホーム』と同じように表れていて、結果として『オルタ』では学校に行かなくてもいいということになるんですが・・・。でも、そこで「待てよ?」とか思うんです。気安く学校を止めるという選択肢とはいいますけど、それは一部のカネと運、そして環境に恵まれた子供達で、他の親はああした事態で保身を優先する教師と戦わざるをえない現実がある訳です。それと、運と金に恵まれたからといって、通学そのものを否定することが果たしていい事なのか?確かにオルタちゃんの受難には同情します。学級崩壊も事実です。ですが、どうも何というのか、今日受けやすい話の中には、自分の理想や自由に社会を引きずり下ろす(ことしか考えてない)というものがあるようですが、ある程度の強制や馴致がなければ、社会はまともに機能しないでしょう。度を越した個人主義の礼賛は一見心地いいモノに見えます。ですが、その先にあるのは強者が猛威をふるうという新しい修羅の国だと思うのです。

 で、『ステイホーム』でも感じたんですが……、これもXの受け売りですが、優劣の概念を中・高等教育はともかく、初等教育に適用させたら新しいいじめの発生源にしかならんのんじゃないかと思います。自分が優れてるからバカより優遇せいじゃなく、初等教育は「万人には教育を受ける権利と義務がある」ことと、「生きていくためには、ある程度社会参画が必要になってくること」ことを体験と実践で慣らしていく場所であり、ある程度学力による進路選択が反映される(12歳はともかく)16歳からの教育と一緒にすんなや!と思ったり・・・。

でも、幼稚園から受験を科されるのが現実だったりするしなぁ・・・。