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2025年1月12日日曜日

『ふたごチャレンジ!』の9巻を読みました

(一部加筆修正しました)

続けて、ブログを更新します。昨日忘れたことへのツケ・・・みたいな感じで・・・。

 いよいよ次巻で10巻・・・!になる『ふたごチャレンジ!』の最新刊を読みました。本巻では久しぶりに、1巻と2巻のギスギス感が戻ってきたな・・・と感じました。特にサッカークラブの所なんですが・・・。でも、嫌なものしかのこらないような書き方じゃないのでよかったです。

で、なんか作中で「性別がどうこうとか、初心者がどうこうとか(中略)、そういうのに固執して、勝利を失っている。(中略)これが本当に、おまえらのやりたい『男だけの世界』なのかよ?」というセリフがありますが、これはサッカーだけでなく、いろんな分野に当てはめることができると思いました。特に(個人的な偏見ですが)セミプロよりの世界って、そういう臭いがするというか・・・。初心者をバカにし、そういう人達のハードルを上げて排他的な選民思想に酔っているようなお気持ちを、フリゲとか絵師界隈とか、プラモ関係とかでどれくらい見たのか・・・。

で、本作では並行してかえでのおえかきクラブも取り上げられていますが、本作では場面緘黙症の少女、めぐちゃんが登場します。ここで一番重要なのは、作者である七都 にい氏がきちんとしかるべき機関に取材をされて、めぐちゃんというキャラクターを造形されているということです。

巷ではこういう表現はその特性を2chしぐさに基づいて無理解や偏見を煽るような書き方をする作品も珍しくありません。こういう所から、七都氏のような正しい知識とまっとうな良識で、ことばの病気やこころの病気を描けるということが、まだまだ前者の作品とくらべると・・・というような状況だと思います。例えるなら『古〇さんは、コ〇ュ症です。』のような作品のように、めぐちゃんが抱えている特性を無知やからかいの文脈で描くことの何が悪なのかわからないまま、後者の方で人気が広がっているのが現状でしょう。

何か色々とネガティブなことを書いてしまいましたが、やっぱり悪貨が良貨を駆逐するという現実はあるわけで、だからこそ、いい加減な知識で「コミュ障」とか「アスペ」みたいな片づけ方に対する作品の蔓延に、七都氏がめぐちゃんを前者がやってきたようなネタとせずに真面目に描いたような努力をもって、ことばの病気やこころの病気に対する遊び心に、ちゃんとひびを入れていく必要がある・・・と思いました。