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2019年10月30日水曜日

チャッピーを観てます。

お気に入りの映画監督の一人にニール・ブロムカンプ氏がいます。
ブロムカンプ氏の映画はどれも格好いいメカが登場するのですが、その中でも『チャッピー』がお気に入りの作品です。
近未来のヨハネスブルグで、治安対策のためにロボットの警官が開発されます。開発者のディオンは、自己成長するAIを開発、そのロボットを使って実験したいと考えていました。ですがライバルの元軍人、ムーアとロボットを使って借金返済をもくろむギャングの介入で、事態は思わぬ方向に向かいます。
そこで、AIをインストールされたロボットは「チャッピー」と名付けられるのでした。
結末はあえていいませんが、「幽霊みたいなものに科学のメスを入れた感じ」のラストだと思いました。人は死ねば無になるとか、天国に行くとか、誰も分かってませんし・・・・・・。
ですが、本作で一番強烈なのはディオンを妬むライバル社員のヴィンセント・ムーアでしょうか。ヒュー・ジャックマン氏が演じる屈強な体の元軍人は豪快な雰囲気ですが、見かけによらず粘着質で陰湿な性格です。指示に従わないディオンにキレて銃を突きつけて脅し、彼を失脚させるために様々な裏工作を仕掛けます。
そして、自信の開発した遠隔操作型戦闘ロボット「ムース」を操作してチャッピーと対決するのですが、その場にいたギャングを「クズ」とよんで笑いながら攻撃し、ムースのカッターでギャングの体を真っ二つに切断しておきながら、冒頭で「倫理観のある人間が兵器をコントロールすべきだ」と主張している様に、本作の強烈な皮肉を感じました。