中学生の時、『イソップ』という児童書が本当に怖かった記憶があります。
正確にいえば本そのものではなく、表紙絵と挿絵にインパクトを受けました。
特に、表紙絵は実際の人物に見つめられているようなリアルさがあり、デフォルメされた人物画に慣れていた自分としては、逆に怖かったんです。
ですが、内容は、(作者は『ハッピーバースデー』でお馴染みの青木和雄氏)いじめと虐待をめぐるまっとうなお話で、イソップこと草馬君のお父さんは本当に、本当に運が良かったと思いました。
だって、お母さんが子供と心中するような事態に追い込んで逃げておきながら、イソップにぶん殴られずに済んだんだから・・・。
なんか青木和雄氏の作品は、『ハートボイス』とか『ハードル』とかでもそうなんですけど、教育現場とか家庭で、何らかの業を背負った人の苦悩と救済が非常にリアルに描かれてるので、すごく好きです。