本日は、ちょっとまた1回更新しておこうかと思います。
やっとのことで・・・アニメ映画「きみの色」を観ました。「Garden of remembrance」と同じくすごい話題になってたので・・・。
こういうの、やっぱりいいですね。変にギスギスを入れたりせず、感情の機微をすぐ怒声や絶叫で表すようなシーンが一切ないのは・・・。これは個人的な偏見ですみませんが、一部のフィクション界隈では現実の悪に根差した「ネガティブ要素」を描かないことは現実逃避であり、甘えだという目が向けられがちで、逆に前者をスキャンダラスに暴露(要するに露悪)するような描き方こそが、理想的なフィクションであるという認識すら漂っているように見えます。
こういう視点からすれば、「きみの色」のように悪人の不在や安直な怒気の露出などが一切ないことは不自然な綺麗事に映るでしょうが、これは真っ当な良識と精神的自立に基づいた堅実なストーリーであって、単なるキャッキャウフフや可愛いありきの作品ではないと思います。そういう所から作り上げられた優しい目線の世界は単なる弱さへの慰撫ではなく、現実の不甲斐なさに対する強さを育てる力を持っており、逆にネガティブ要素を出すことが正しいとは限らない。そう感じています。
それと、相手が色として見えるというトツ子の能力が、超能力のように派手に描かれていないのが良かったです。そうした派手さからも背を向けているので、ついにトツ子が自分の色を見つけられた時のインパクトが大きく迫ってきました。