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2025年6月27日金曜日

ヤフコメが異常?

― だから考える。死刑は何のためにあるのだろう。誰のためにあるのだろう。

                        森 達也『死刑』より


ああ・・・今日やっとったと思った更新が、まだできていなかった・・・。

まあ、何かあの事件の犯人がもう死刑執行されたというニュースサイトの記事を読みよったんですけど、何か・・・ヤフコメが死刑に対して余りにも素直(或いは純粋)過ぎじゃないか・・・?と思います。法務大臣をスーパーヒーローみたいに称えていたり・・・。

自分自身は死刑存置派ですが、それは自分の家族や(そんなにいませんが)友人が殺されたら、間違いなく死刑を求刑すると思うし、目には目を、歯には歯をの精神はある程度の必要悪だと思うからです。ですが・・・みんな他人事過ぎません?死刑制度というのはもし何かあったら、『死役所』みたいに無罪の人を処刑してしまう(『モリのアサガオ』が「司法の犯罪」と評したように)恐ろしい側面が存在するし、相手、つまり確定死刑囚は腐っても人間だし、死刑制度は外野が簡単に「殺せ」という大合唱で済されるようなものじゃないはずです。いや、「はず」ではなく「じゃないもの」と断定すべきでしょう。もし冤罪で死刑が執行されれば、得意げに法務大臣や刑務官をヨイショしていた人達が、今度は彼らを殺せとネットで喚き始めるはずです。『身銭を切れ』ではないですが、この公開日記も含め、何のダウンサイドを負っていない議論なんて、所詮その程度なんです・・・。

自慢じゃありませんが、私は小学生の時に『淳』という被害者遺族の手記を読んだ影響からか、死刑や犯罪被害者遺族の手記やノンフィクションをよく読んでいます。だからこそ書きますが、ヤフコメみたいなものを見るとそこら辺への教養や知識が欠けたまま、ワイドショー感覚で死刑を持て囃す人達が余りにも多い、という残念な現実があるわけです。溜飲を下げるためにいい加減な感覚で、ただ「殺せ」と叫ぶ人がどれほど存在する事か・・・。だからこそ、死刑制度を(肯定として)考えるにはそんな国民的ダウンサイドを取らない癖に、その権利だけは遊び感覚で要求しているような幼稚な議論にも、手厳しい目線を浴びせなければ・・・と感じるのです・・・。これじゃ「グリーンマイル」のパーシーやで・・・。それに、現場を見てないからそんな簡単に「死んで当然」とか大声でいえるんじゃ・・・。