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2023年12月9日土曜日

『りぼんちゃん』を読みました

 そういえば、『りぼんちゃん』という児童書を読みました。

虐待がテーマなので、マジでハードな所もありましたが、きちんとある程度のハッピーエンドが用意されていたのでホッとしました。

まあ・・・本書でちょっと気がついたんですが、アレ・・・ですよ。他人から見ればスキンシップにしか過ぎないような行為でも、本人からはセクハラにしかなってないという所で、重大な告発が行われていると感じました。本来虐待は悪意や独善から行われるものを想定しがちですが、何気ない行為でも、本人が嫌と感じたらそれは立派なハラスメントであるということを再認識させられます。

で・・・『りぼんちゃん』では、友達の被虐待児を助けるために主人公の少女が奔走するわけですが、 主人公が被虐待児を見捨てる選択を下した『ステイホーム』とあわせて読むと、けっこうその差異について色々考えさせられるな・・・とも・・・。

あの下りについて、結構礼賛するようなレビューってあったんですが、なんか無責任だなぁという思いが頭をよぎっています。そうするにあたり、色々用意周到な言い訳(相手が虐待加害者だということとか、他人の善意につけ込むこととか、相手のガラが悪いとか)が用意されてるわけですが、ああいうのって、電動ガンを使おうとしている子からそれを取り上げようとする大人に対して、「子供が撃ちたいという気持ちを抑えるような条例なんてクソ!撃ちたいと思ったら使うことが大切なんだよ!」というのと同じじゃないかと・・・。

しかも、アイデンティティ闘争みたいなものを子供に押しつけて、自分が誰かに選ばれる可能性を考えていない能天気さときたら・・・。 こういうのが普通なんか・・・最近の児童書界隈は・・・?私が勉強不足のせいかもしれませんが・・・。