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2025年12月16日火曜日

アート万能論

 レジー氏の『ファスト教養:10分で答えが欲しい人たち』では、アートも槍玉に上げられていましたが、最近Xにおいて(ざっくばらんに纏めると)アートは稼げないといわれているが、妻の友人が美術を専攻して就職に苦労、不動産業界でその知識を生かして大成功を収めた・・・というポストが、かなりバズっていました。

まぁ・・・私も絵を描いてる身ですが、そういう文脈での教養礼賛や勉強礼賛って、Xで受けやすいと思います。 たしかにそれら自体は非常に大事だと思います。私だって怠ってきた分損してる部分はあるんですから・・・。

ですが・・・『ファスト教養』の指摘にあるように、教養って稼ぐために存在するのでしょうか?確かに一理はあると思いますが、社会的地位の向上や所得の増加の目的が教養(アート)の効用とされるのも、随分と下品な気がします。(上にも書いたように)私も絵を描いているので尚更です。確かに承認欲求や欲望はありますが、文化の存在意義というのは目先の利益みたいなものの以前に存在する大事な所から生まれるものであって、それを大事にしないといけないんじゃないのか・・・?と考えていたり・・・。まぁ、完売画家みたいな存在ではない人間のルサンチマンだといわれればそれまでなんですけど・・・。

これは医者をしている親戚の話ですけど、大学の医学部で講演をした時、学生から「医者って儲かるんですか?」と聞かれて唖然としたという話を聞かされた事があります。引用リポストも見て、「教養=金と成功」みたいな身も蓋もない称揚を見てると、私は親戚の話を思い出さずにはいられません。

ああ、それとSF作家の山本 弘氏も『料理を作るように小説を書こう』でも書かれてましたよね・・・。「作家は、金儲けが目的でなるような職業ではありません。そんな人は早晩、挫折するでしょう。」(42P)と・・・。だから自分もああいうアート万能論に違和感を覚えてたりするんですよ・・・。絵心が無い人や学ぶことが苦手な人を漂白してる気持ち悪さが漂っているというか・・・。