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2020年3月23日月曜日

ムシゴロシ Chapter2

3年前、私の国を「虫」が襲った。「虫」は国のあらゆる都市を襲い、軍の兵器でさえ蹂躙した。同盟国はこの事態を受け、「虫」に対抗しうる手段を国が持てない場合、核攻撃を実行すると宣言した。そして、国は「虫」に対抗する為の「新兵器」を開発した。
「新兵器」は「虫」を倒すための最新鋭の武器を装備し、安全な基地からリモコン操作される。私はその「新兵器」の部隊の指揮官だった。
「新兵器」が開発されたことにより「虫」と私たちは対等に戦えるようになったが、いまだに「虫」との戦闘は続いており、「虫」の発生要因もいまだ不明である。

そして任務が終わった後、地下鉄で私の家に帰っている時、奇妙な感覚に襲われた。
いままで「虫」との凄惨な戦争をしていた私が、会社員と同じように電車に乗って帰宅している。しかも普通の顔をして。この現実に気がついたとき、私の中の片隅で、何かが崩れる音がした。