最近、千葉 侑生先生の『幼稚園WARS』という漫画を読みました。
やっぱり…一言でいうと「面白い!!」です。内容が・・・。
何かハリウッドセレブやコングロマリット経営者の御曹司が通う、ブラック幼稚園という 幼稚園があるんですね。で、そこには園児の立場上、彼らの命を狙う殺し屋や誘拐しようとする不届き者が度々寄り付き、多くの教員達が命を落としていました。なので、政府は毒を以て毒を制すを地で行くやり方として、殺し屋や服役囚等に戦闘訓練を科した上で、一年間教員として勤め、園児達を守り抜けば無罪放免にするシステムを作り上げました。
凄腕の殺し屋だったリタもその一人で、日々子供を狙う敵から死闘を繰り広げる中、同僚と恋や園児達の交流を重ねていく・・・そんな話です。
私が『幼稚園WARS』が心底いい漫画だと感じたのは、殺伐とした殺し合いの中で、それがただ不快にならないよう、大袈裟すぎる世界設定やラブコメ要素を入れて、読者を安心させる技量が本当に大きい事です。更に、エンタメとしてのアクション性にも抜かりが無く、敵もあの手この手の方法を駆使して、リタたちがどう園児達を守り抜くのかというエンタメ性を見事に彩ってくれています。
で、この辺りの荒唐無稽さが、現実におけるセンシティブな部分との関係性を見事に断っており、「ハラハラドキドキの絵空事」としてしっかり機能している事が、一番すごいと思ったんです。
実際、戦争や事件では、初等教育機関(及び中等教育機関)やそこに通う子供が標的にされる事があり、もし一歩間違えれば、『幼稚園WARS』はその極めてセンシティブな分野を刺激していたかもしれません。ですが、大仰なアクションやセリフ回し、ギャグ要素や非現実的な舞台設定を多用する事で、「子供が狙われ、殺される」という社会の琴線から徹底的に作品の性質が隔離されているのも、この作品が持っている利点の一部ではないか・・・そう感じています。
そこを間違えれば、いたずらに当事者を傷つけ、誤った認識を読者に植え付けてしまい、結果としてこういう事(つまり、全く関係ない所で弱者のセカンドレイプを助長して知らんぷり)になるわけであって・・・。