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2026年8月4日火曜日

ジャンキーな漫画

―そもそも、あの程度のお遊びならネット中にあるじゃねえか!それなのに、どいつも無駄に大騒ぎをして、この俺の経歴に傷をつけようとしやがる!黙っていればいいものをよ!

                               コナミ「s.l.a.i」より 

まぁ・・・一応、レンタルコミックで『みい山』はちょっと読んでみたんですが、はっきりいって、こういう露悪寄りの話はよく実話系雑誌に掲載されているもので、つまり知的障害者とかセックス、夜職みたいなものを、便所の落書き感覚で題材にしたジャンキーな漫画と割り切って読めば、正直面白い部分もありました。モモとかココロみたいなキャバ嬢達の黒い本音とか、不快を煽る演出に依存しない、ギスギスの描き方はすごい上手いなと・・・。
だから、それ自体が悪いといういう事じゃなく、(斎藤 十一氏ではありませんが)社会の建前は、本音という臭い物に蓋をする事で成り立っており、だからこそいい加減なリテラシーでも過激化する形で、建前の裏側を見てみたいという、作り手と受け手の商業的な折り合いが存在するのは、当たり前の事でしょう。 

実話ナックルズとか週刊大衆とか・・・正直、時折私も買って読むことがありますし・・・。

ですが・・・やっぱりストーリーの性質が性質故に、『みい山』はメインストリームに出してはいけない作品だったと思います。いくら口先で「差別はいけません」とか「弱い人には同情しましょう」とかいった所で、社会の建前よりも民意のリテラシーや意志というのは案外脆く、『みい山』の単行本があっという間に累計発行部数280万部突破しましたが、同時に知的障害者の正しい理解なんて進んだんでしょうか?実態は真逆だと思います。


Xあたりを見ればすぐわかると思いますし、その「好意的」な感想が、(知的障害者を揶揄する「みいちゃん」というスラングの定着に併せ)障害者の実態や福祉の現実を、漫画内の表現をソースにして間違った事を平気で書き、あまつさえ当事者の差別や迫害すら容認している以外のものが殆どだったと感じています。

この記事
を見ても「『みい山』が話題になる事はあっても、これら具体的な障害福祉の問題が真剣に話し合われる事はない。」と書かれています。そりゃそうだろうと思います。『みい山』は障害福祉を真剣に描いた漫画じゃないし、近親相姦とか(モモがいっていた)受容体がどうたらみたいな話に、「学びがある」真面目に受け止めるような人間に、やる気を期待する方が無理というものでしょう。問題なのは、新宿区議や公的な地位にいる専門家などが、そういう発言をしている事でしょう。前にも2回程書きましたが、児童文学作家までもがこの作品を支持している始末ですから。

こうした「民意」に応えるように、『みい山』はこの度アニメ化が発表され、炎上状態になっているわけですが、これまでの経緯を見れば、作者である亜月 ねね先生だけが悪いとはいえません。バズっているというだけで、相手がどういう人間なのかをちゃんと調べもせずにプロの世界へと引きあげて、彼女を教祖としてやりたい放題してきた講談社の編集部も、ギルティだと思います。

 そして、あの編集部の動画(編集者の無責任な姿勢)とか、一番悲惨なシーンをネタにしたアクスタ企画、よりにもよって相模原事件発生日にアニメ化を告知する節操の無さを、作品内容と併せると・・・ここからは、もう心を鬼にしなければなりませんが、アニメ制作は中止でいいんじゃないかと思います。これ以上、『みい山』に対する民意に応えるような事があれば、いずれネットの俗情と結託して規制緩和され続けてきた「表現の自由」が最悪な形でツケを払う事になると思うんで・・・。(アニメ化の効用を考えれば)国際的にも・・・。

俺もギャラリーの企画書ボツになった事があるから、敢えていうけど・・・。 

で、アニメ化及び『みい山』の擁護意見からは、表現の自由はともかく、「正義の暴走」とか「表現の自由とは不快なものを守る事だ」とか、noteやXでも屁理屈めいた意見をかなり見ますが、表現の自由とは、作り手の一方通行で決まるものじゃないです。
リンク先の記事の人も書いていますが、表現の自由より、人権問題の方が割と本人の生死について影響力があったりするので、前者を天秤にかければそっちが優先されるべき場合があると思います。逆に、批判されるのが嫌なら日陰でやるしかないという話で、表現の自由を守るという事は、自身の責任能力に基づいてTPOを選び、時にはその権利を留める事とセットでなければ、自由に値しないと思う訳です。

まぁ・・・まとまらん形で色々と『みい山』について書きましたが、これだけ亜月先生を中心にしてカネと人材が動くような状況まで持ち上げて、売上も還元してもらったんだから、講談社はちゃんと亜月先生だけに何かいわせるんじゃなく、やっぱり彼女をここまで育てた会社として、説明責任は果たさなきゃいけんのんじゃないか・・・そう感じています・・・。