カテゴリ

2022年4月3日日曜日

『まるみちゃんとうさぎくん』を読みました。

 『まるみちゃんとうさぎくん』という児童書を読みました。

何か、人々の目から突然ビームが出たり、手からバナナが生えたりする事象が続発し、外に出ていた人だけがそうなることがわかりました。なので外出は禁止され、そんな社会で暮らしている10歳の子供、まるみちゃんとうさぎくんはオンラインのビデオ通信で知り合います。で、体が変化した人を羨ましいと思う人や、逆にそれをポジティブに受け入れたりと、様々な人が二人の周りにはいて・・・という内容なんですが・・・なんか、ジーンときちゃいました・・・。書き方によってはいくらでも、コロナ禍という現実を暗い告発としていくらでもトレースできるのに、寧ろそれだけに留まらないやり方として当事者に寄り添うような展開が・・・もう・・・。


基本的にこういう系の話って、作者の怒りや正義感が先行しすぎて、結果として社会問題に対する怨嗟に終始している作品ってあると思います。このパンデミックで起きていることは絶対悪!日常生活を奪われた人々の叫びを聞け!みたいな・・・。

ですが、本作ではあえて「感染症=それによる苦しみ」だけではなく、子供のみならず、誰でもぶつかるような劣等感や悩みを大人目線ありきの怒りではなく、共感として書いているのがよかったなと思いました。