『ツォツィ』という映画を観ました。自慢ではありませんが、原作小説も今読んでいます。
南アフリカのヨハネスブルクで、強盗と殺人を繰り返してきたツォツィ(←現地語で不良少年という意味です)という不良少年がいるんですね。で、彼はいつものようにお金持ちから高級車を強奪するんですが、その車の中に赤ん坊が乗ってたんですよ。で、帰った先で仕方なく赤ん坊を世話する内に、他人への憎しみだけがあった彼が人間性を取り戻していく・・・という展開なんですが、この映画、未成年が人を殺す描写があるという理由で、R-15指定でした。まあ、たしかにエグいシーンはありましたよ。
ですが、本作の趣旨はそうじゃないということで、未成年への試写会が強行されました。ああ、私はこういう話がきわめて苦手なんですね・・・。
なんか、芸術性や文化に関しても、「2分の1成人式」とか「組体操」とかと同じく、大人の一方的な善意で子供が受けるダメージみたいなものがもっと話しあわれてもいいと思うんですが、どうしてこういう時だけ「子供の精神にダメージを与える」可能性を含む行為が、必要以上に美談にされるのか・・・。例え『ツォツィ』が良作であったとしても、全年齢が見られるような条件にすべきではなかったと思いますが・・・。まあ、今では何故か誰でも観られるようになってますけどね・・・。
ツォツィはラストでどうなるかをはっきり描いていません。警察が来たところであっさり画面を暗転します。そこから更生するみたいな「わかりやすさ」が続けば、逆に白けてしまっただろうなと・・・。