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2024年6月18日火曜日

「危険な遊び」を観ました

 マコーレー・カルキン氏とイライジャ・ウッド氏という(当時の)名子役が夢の競演を果たした映画「危険な遊び」を観ました。

いやぁ・・・「ホーム・アローン」シリーズで愛らしい演技を見せたカルキン氏が、それを一切かなぐり捨てて狡猾な悪役を静かに演じているのが、(それが作品の売りだからですが)やっぱり印象的でした。特にハイウェイマンという人形を高速道路に落として意図的に交通事故を起こさせ、満足そうにうっすらと笑うカルキン氏の表情は、マジで強烈でした。

「ホーム・アローン」シリーズでも、結構なんか泥棒がケビンが自宅に仕掛けた罠でコテンパンに痛めつけられる様が(作品の性質上)コミカルに描かれていましたが、そこから道徳的コメディ要素を取り払い、子供の創作意欲が嗜虐性や殺意から生じるものだったら、どういうことになるのか・・・?という観点も見られました。まあ、「ホーム・アローン」も見方を変えれば結構残酷だし、家族のケビンに対する扱いもアレだし・・・。

ですが、いたいけに見える子供が悪をなすというギャップをわかりやすく過激な形で描くのではなく、余計な残酷シーンを徹底的に省いて表現しているのが良かったです。そして、最後の母親の決断は・・・とても考えさせられるものがありました。ラストも(いささかネタバレ恐縮ながら)悪役を倒してハッピーハッピーというわけではなく、数多の死を経験した少年のやりきれなさが伝わってくる、虚無感がありました。なんか、あそこは「激突!」ぽかったな・・・。

こういう系の話は、良識派に目にものをいわせることばかりが先行し、すぐに残虐な大量殺人や度を越した流血描写に流れるものがありますが、それを一切排除して、一見平和そうな家庭で、ネコを被っている異常性を抱えた子供に主人公がジワジワと追いつめられる状況を丁寧に描くことで、逃げ場なしの恐怖を思い知ることができるのです・・・。