(一部を書き換えました)
昭和オトメ御伽話の終盤では、常世ちゃんが結核にかかってしまうわけですが、それを立派な医者に成長した珠子さんが、「どうしてこんな目に遭わなきゃいけないの」と、「常世さんに何の罪があるのよ」と涙ながらに憤るシーンがあるんですね。珠子さんだけではなく、理不尽な死に方や不幸を経験する人に対して、一体何の罪があるのかという言葉はよく聞くとは思いますが、それを考えさせられる漫画を以前読みまして・・・。犬木 加奈子先生のホラー漫画『かなえられた願い』の1つなんですが・・・。
なんか神を信じて生きてきた敬虔なお婆さんがいるんですね。で、そのお婆さんは若い時から夫に子供達と、次々家族が死んで行って、今は裕福ながら孤独な生活を送っていました。だから近隣の人々がよく気をかけてくれるんですが、最愛の家族を失ったという喪失感は癒されません。
なので神を信じていたのに、どうして家族もいない孤独な生活を送らなきゃいけないのかということで、ひょんなことからお婆さんは家族が生きている所まで時間を戻してもらい、神を信じない生活を送ることになります。すると・・・どうでしょうか?みんなギャンブルや飲んだくれのダメ人間になってお婆さんの足を引っ張るようになるんですよ。柄の悪い人々に囲まれているせいで、お婆さんを相手にする人なんていません。だから、これならいない方が・・・ということになり、神を信じていなかった結果がこうだ・・・とお婆さんが痛感するところで話は終わるんですが・・・何というかね・・・。
この漫画のロジックだと、今まで震災で被災し、新型コロナウイルスに感染して死んだ人達は、落ち度があったから死んで当然で、遺族はハッピーということになりませんか・・・とうっすら思ったんですよ・・・。こういう話もあるわけですから・・・。
ですが、私の人生を振り返ってみると、罪はありませんなんて到底言えないし、これまでの人生では多大な罰を受けて当然という立場だと正直思いますけど(汗)