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2024年8月2日金曜日

洗濯ばさみの話

 昔、NHKの人形劇で「すてられたせんたくばさみ」という作品を観たことがあります。

洗濯バサミだけが友達という少年がいて、ある日洗濯バサミ達にいじめの加害者を成敗してもらったことをきっかけに、彼らと仲良く遊ぶ生活を送るようになります。ですが、主人公の少年の態度はどんどん横柄になり……。この結末は、かなり暗かったです。いささかネタバレになりますが、ハッピーエンドではないです。愛情というものに関しても、かなり考えてしまいました。

『ダンプのがらっぱち』という絵本のように、場合によっては被害者が更に弱い者への加害者として君臨するという薄ら寒い現実を容赦なく描いているからこそ、本作はインパクトに残ったのだと思います。 SNSが普及し、(吉岡 忍氏がいう所の)「自分以外はみんなバカ」という加害欲求ばかりが加速している現在において、ただ「素晴らしき哉、人生!」みたいに善人が報われるハッピーエンドだけを描くだけでは、よりよい人生を送る為の教訓にならないのかもしれない・・・そんなことをふと感じました。