基本的に、あの事件で死んだ子供たちは幽霊となって、まだあの学校に佇んでいた。
幽霊たちは祟りをなしたり、言葉を発したりする存在ではない。ただ、生きている記憶を証明するかのように生前よくいた場所に、静かに立っているだけだ。それが私には余計に怖かった。
あの事件で重傷を負いながらも、逃げて子供たちを見殺しにした教師とマスコミやネットで詰られた私を、あの子たちがどう思っているのか。そして、私をどうしたいのか。
だからこそ私は祈っている。私の経験したことが神話ではなく真実として語られ、それが死んだ子供達の傷をいやす一歩になればと。